2016年 特別企画展「西洋服装史Ⅱ-スタイルとディテイル-」展示風景
会場の様子をご紹介します。
1. Rococo Style ロココ・スタイル(1730 – 1790年頃)
「ロココ」とは、ルイ15世親政時代(1730-1774)に円熟期を迎えたフランスの貴族文化および美術様式名です。ロココ様式の代表的な服としては、女性の場合は、スカート部分が左右に大きく張り出した「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」が、男性は、膝付近までの丈の上着である「アビ・ア・ラ・フランセーズ」が挙げられます。
2. Empire Style エンパイア・スタイル(, 1790 – 1820年頃)
フランス革命を前後して、ハイ・ウェストで直線的な「シュミーズ・ドレス」が流行し、素材も絹から白い木綿モスリンなど、透けるように薄く軽やかなものへと移行しました。このスタイルは、ナポレオン帝政期にちなみ「エンパイア・スタイル」と呼ばれています。
3. Romantic Style ロマンティック・スタイル(1820 – 1840年頃)
ファッションにおける「ロマンティック・スタイル」とは、芸術思潮である「ロマン主義」において理想とされた、無邪気でか弱い、妖精のような女性像が反映された1820年代から30年代のスタイルを指します。
4. Crinoline Style クリノリン・スタイル(1840 – 1870年頃)
「クリノリン・スタイル」とは、1840年代から60年代末期にかけて好まれた大きく広がったスカートを特徴とするスタイルを指します。1830年代以降、スカートはますます膨らみ、それを支えるためにスカートの下にはくペティコートの枚数は増えていきました。
5. Bustle Style バスル・スタイル(1870 – 1890年頃)
「バスル」とは、後ろ腰を膨らませるための腰当のことで、これによってスカートの後ろ側にボリュームを出したスタイルを「バスル・スタイル」と呼びます。
6. Art Nouveau Style アール・ヌーヴォー・スタイル(1890 – 1910年頃)
「アール・ヌーヴォー・スタイル」とは、19世紀末にブリュッセルやパリに出現し、その後、ヨーロッパの各主要都市で派生した装飾様式です。主に建築や工芸の分野の様式ですが、女性服においては、この様式の最大の特徴である曲線が身体によって表現されています。
7. Art Déco Style アール・デコ・スタイル(1910 – 1930年頃)
「アール・デコ・スタイル」とは、1920年代に欧米に広まった装飾様式です。この名称は、1925年にパリで開催された「現代装飾・産業美術のための国際展」に由来し、幾何学的な模様とストレートなシルエットを特徴とします。
Replica レプリカ
オリジナル資料をもとにしたレプリカ制作は、実物衣装を外面から鑑賞・観察するだけで無く、対象を解体するようにその構成要素の一つ一つや裏側にも目を向けて調査した上で、模写するように写し取り、それがどのような意図によって制作されたかを学ぶことを目的としています。
廊下では、ドレスや小物などのディテイル(細部)がパネルでご覧いただけます。
企画展受付では、ねんどキャラクターデザイナー おりっぴ が作成した ロココver.の鳩子、鳩五郎(博物館オリジナルキャラクター)がお出迎え!