健康科学部の紹介

 

健康科学部の紹介

学部長メッセージ

平田 浩三

健康科学部 学部長

「すべての人々が地域社会でその人らしく生きること」を支援する、実践力を持った医療専門職の育成

女性の「自主自律」を建学の精神に、140有余年の歴史を有する東京家政大学に初の医療系学部として看護学部看護学科が開設され、11年が過ぎました。2018年には看護学部は健康科学部に改編され、リハビリテーション学科が健康科学部に加わって、現在に至ります。

健康科学部は、設立以来「すべての人々が地域社会でその人らしく生きること」を支援する医療専門職の育成に努めてまいりました。「良き医師は病気を治療し、最良の医師は病気を持つ患者を治療する」とは、近代医学の礎を築いたウィリアム・オスラーの言葉ですが、この言葉によってオスラーは、患者が単なる病気の存在ではなく、個々の人間として尊重されるべき存在であること、いわゆる患者中心主義(Patient Centricity)を表明したと言われています。オスラーがこの概念を唱えた1900年前後にはナイチンゲールも著書の中で患者中心主義の必要性を説いており、冒頭の「すべての人々が地域社会でその人らしく生きることを支援する」という健康科学部の教育目標も100年以上前に彼らが提唱した患者中心主義の延長線上にあるものです。

私たち健康科学部の教員は、患者さんや住民に「寄り添う」ことでその思いや価値観を理解し、病後に患者さんが「その人らしい生活を再び取り戻すこと(その人らしく生きること)」が重要であると考えています。その目標の実現のため、それぞれの学科は、専門分野に基づいた独自のカリキュラムを編成し、学生が専門的な知識や技術はもとより豊かな人間性と社会性を持ち、「生活者」である患者さんや住民を支えることの出来る医療専門職となれるよう努力を重ねています。AI技術は急速に進化しており、今後10年以内に診断や治療の一部がAIに取って代わられるのは間違いないと言われています。しかし、どれほどAI技術が進歩しても、患者さんや地域住民を支える医療専門職の重要性が低くなることは決してないでしょう。むしろ、その重要性はますます高まるはずです。なぜなら、医療専門職は単なる知識や技術的スキルに留まらず、深い情操と豊かな人間性に基づき、患者さんを、そして患者さんを取り巻くすべての地域住民を支える役割を担っているからです。「すべての人々が地域社会でその人らしく生きること」を支える、この視点こそが、今後の医療職専門職育成において最も重要であり、健康科学部の全教員はその認識を共有し、日々の教育活動に取り組んでいます。

看護学科では、患者さんの思いや価値観を理解し、「その人らしい生活を実現する」ための知識、技術、態度(社会性・人間性)を兼ね備えた看護専門職を育成します。1年次から4年次にかけて段階的に充実した臨地実習を行い、患者さんと向き合うことで各自が看護観を育み、実践力を獲得できるよう丁寧に教育していきます。また、4年間で助産師や保健師の受験資格を得ることが可能であることも本学科のカリキュラムの大きな特徴です。独自の部会やもちあがりの担任制、少人数教育、グループワーク、演習形式を取り入れた教育、さらにICT・DXを活用したeラーニングやeポートフォリオなどにより、高い国家試験合格率(看護師、助産師、保健師)と就職率を実現して来ました。狭山キャンパス全学部合同で実施される「スタートアップセミナー自主自律」、「全学共通教育科目」など、医療職間連携の基礎を築くカリキュラムも充実しています。なお、本学科は、日本看護学教育評価機構(日本看護系大学協議会)による看護学教育評価で、初めて認証を受けた全国4学科のうちの一つです。認証時、実践的な学びができる環境が高く評価されました。

リハビリテーション学科の教育コンセプトは、「最新技術を学び、50年先まで活躍できるセラピストを育成する」です。作業療法学専攻では、”こころ”と”からだ”と”生活”に障がいがある全ての年代の対象者が、「その人らしく生活できる」よう、生活の再獲得と新しい生き方の獲得を支援できる作業療法実践者の育成を目指します。また、理学療法学専攻では、疾病や傷害に起因する機能・形態障害のある、あらゆる年代の人々が「その人らしく生活できる」よう、身体機能・能力の改善、基本動作の改善を支援できる理学療法実践者育成を目指します。看護学科同様、独自の部会やもちあがりの担任制、少人数教育、ICT・DXを駆使したしたきめ細かい講義や実習などを通じ目指す人物像を実現します。

すべての学生が、患者さんや、ひいては地域住民の気持ちに寄り添い、確かな知識と技術を持って健康支援を実践できる医療専門職へと成長するために、健康科学部の教職員は最大限の努力を惜しみません。豊かな自然に囲まれた狭山キャンパスで、仲間と共に学び、共に成長し、信頼される医療専門職を目指してください。

人材養成・教育研究上の目的

健康科学部は、看護及び医療の分野で、科学的根拠に裏づけされた知識・技術と生命の尊厳と人格を尊重する態度を涵養し、あらゆる年代の人々の健康の保持増進と自分らしく「生活する」ことを支援できる人材を育成する。
  • 看護学科は、専門知識と、保健・福祉・看護の基盤となる援助的人間関係を成立・発展させる技術を教授し、あらゆる年代の個人、家族、集団、地域社会を対象とし、健康の保持増進と生活の質を維持する看護実践ができる看護師・保健師・助産師を育成する。
  • リハビリテーション学科は、基礎知識と専門知識技術を基に乳幼児から高齢者までを対象に、
    作業療法学専攻では、人の“こころ”、“からだ”、“生活”に焦点を当て、その人らしい生活が獲得できるように支援できる人材を育成する。
    理学療法学専攻では、疾病や傷害に起因する機能や形態障害に対して基本的身体能力や移動能力の改善を支援できる人材を育成する。