2016年 企画展「染色-布へのアプローチ」展示風景
会場の様子をご紹介します。
絞り染
絞り染は、布の一部をくくったり、縫い締めたり、板ではさむなどして防染し、模様をあらわす技法。
贅沢な総鹿の子絞りの振袖、藍色と白のコントラストが美しい有松絞の着物など、圧巻の手わざです。
友禅染
華やかで精緻な模様が特徴の「友禅染」。輪郭を白く残す「糸目友禅」、筆で生地に直接絵柄を描く「素描友禅」、型を用いる「型友禅」などがあります。
型染
「型染」は、模様を彫り出した型紙を用い、糊を置いて色染めをし、模様を染め抜く技法。模様の大きさにより、「大紋」「中形」「小紋」と呼ばれます。
遠目では無地に見えるほど細かい模様の「小紋」。江戸時代に裃の染色方法として発達しました。
型染に使われる「染型紙」。和紙を柿渋で貼りあわせた「渋紙」に、彫刻刀で細かい模様が彫られています。
パネル形式の染色作品
染色作品は、着物などの衣装として制作される一方で、近代以降は、美術性の高い絵画的な作品も多くみられます。染めた布をパネルや木枠に張る、あるいは屏風に仕立てるなどしたパネル形式の作品は、現在、美術展等において主だった形式の一つとなっています。
染色画家の 堀 友三郎氏による「染色画」。染料の持つ透明感のある美しさや、薄い色を何度も重ねることにより生まれる色の深みを活かした絵画的な染色作品です。
本学の服飾美術学科美術専攻・造形表現学科の卒業制作。学生時代に磨いた技術と感性の集大成です。
廊下には展示品の一部を拡大したパネルが並び、記念撮影にうってつけ。
一口に染色といっても、その技法や表現形式は実に様々。異なるアプローチによる染色の魅力をぜひお楽しみください。