2014年 企画展「たくみ-伝統の技と美」展示風景
会場の様子をご紹介します。
「匠-たくみ」とは、手や道具によってものを造る仕事、またそれを造る人を示す語です。
今日まで受け継がれている日本の伝統工芸はこうした「たくみ」と呼ばれる専門技術を有する人々の手から生み出され、日本の風土の中で守り育まれてきました。
「
職人繪盡
」
近世の職人の作業風景が描かれた絵図です。画中には、製作途中の作品や道具が並ぶ室内で
作業にあたるさまざまな分野の職人達が生き生きとした姿で描かれています。
「
友禅
」
江戸時代中期に誕生した染色技法及び、その技法によって制作された染物の総称です。
近世以前より主として行われてきた、布を染液に浸して染め上げる「浸染法」に比べ、模様の各部分を異なる色で染め上げることができるため、まるで絵を描くように自在な模様表現が可能となりました。
「
木版摺更紗
」
木版(型)と型紙を併用し染色する技法です。一般的な更紗が手描きと型染であるのに対して木版摺更紗は「地形」と呼ばれる木版で模様の輪郭線を墨摺りした後、型紙を用いて刷毛で色を摺り込みます。
「
紋紗
」
模様を表した「紗」の織物制作技法です。交差した織り目に部分的に空隙が生じるため、薄く通気性に優れ、平安時代以降に「うすもの」として公家や能装束の夏衣料に用いられました。
「
日本刺繍
」
飛鳥時代(592~707)から奈良時代(710~784)にかけて中国から伝えられた技法を基本として日本独自の発展を遂げた装飾技法です。「台張り」と呼ばれる長方形の座卓式の刺繍台に布地を張る工程を経て、撚りを掛けない平糸、または撚糸を用いて下絵にそって技法が施されます。
技を支える道具たち
伝統的な技と「たくみ」の創造性によって生み出される作品はどのようにして作られているのでしょうか。
本企画展では制作に用いられている道具類を展示しています。ぜひ会場でご覧ください!