2008年 特別企画展「手技の美・絞り」

 

2008年 特別企画展「手技の美・絞り」展示趣旨

展示趣旨

和服などでおなじみの絞り染めは、模様を表す技法としてもっとも素朴で原始的な方法であり、その歴史は古く世界中のいろいろな地域でみられます。

絞り染めは布地を一粒一粒糸で(くく)ったり、一針づつ縫い締めたりした部分に染料が入らないようにして模様を染め出す技法で、根気と熟練を要するものです。

日本の絞りには古くは奈良時代の正倉院御物などにも見られますが、室町後期には描き絵とともに施される(つじ)花染(はなぞめ)が見られ、江戸時代になると子鹿の背のような模様に染め上げる「鹿()()絞り」が全盛となり、その技法は時代と共に多様化しながら発達してきました。

今回の展示では「絞り」の魅力を多面的にとらえ、日本の伝統的な絞りから、現代の日常生活に生かされている草木染めによる絞りなども展示しますので、その特徴と多様性に注目しながらご覧ください。

主な展示品

紅綸子地枝垂桜模様絞振袖
絹地藍梅笹模様絞着物
柳絞り
合せ縫い絞り
総絞りの羽織

草木染めによる絞り作品

つる草
果実
ひわV・月