2007年 特別企画展「影と色彩の魅惑 ワヤン」展示趣旨

 

2007年 特別企画展「影と色彩の魅惑 ワヤン」

展示趣旨

インドネシアには、「ワヤン」と呼ばれる芸能がいくつかあります。ワヤンは本来「影」を意味しますが、よく知られている影絵芝居のワヤン・クリだけでなく、その他にも木偶(でく)人形芝居のワヤン・ゴレ、人が演じるワヤン・オラン、仮面芝居のワヤン・トペンなどがあり、上演スタイルもそれぞれに個性的です。

ワヤンでは、インドネシアの英雄物語やインドの叙事詩であるラーマーヤナやマハーバーラタなどの物語を題材としていますが、決まった台本があるわけではなく、細かなストーリーや台詞などはそのつど語り手であり人形遣いでもある「ダラン」によって即興で語られます。

本場インドネシアでは、ワヤンは観るというよりも、ダランの語りを聴くという要素の強い芸能ですが、本展では様々なワヤンを展示し、インドネシアで今なお、文化と娯楽の中心であり続けるワヤンの多彩な姿をご紹介します。

今回はワヤン研究・収集の第一人者である松本亮氏(日本ワヤン協会主宰)のご協力により、氏の貴重なコレクションを多数展示します。

ワヤンの人形や衣装から感じられるインドネシアの豊かな色彩感覚と巧みな造形技術、また地域や島による違いにも注目しながらご覧下さい。

主な展示品

ワヤン・クリ (影絵芝居)

ワヤン・ゴレ・チュパ(木偶人形芝居)

ワヤン・オラン(役者が演じる芝居)の衣装