2004年 特別企画展「一枚布の民族衣装」
展示趣旨
日々の生活に密着した衣服文化は、それぞれの国の気候・風土の中で、独自に発達してきました。特に、長い時間をかけて独特の文化を育んできたそれぞれの伝統的な民族衣装は、少しずつ変化しながら大切に継承されてきました。
しかし、近年の科学技術の急速な発展により、グローバル化が進み、民族衣装は衰退して、世界各国の伝統的な日常着の特徴は失われつつあります。
日本においても生活様式の洋風化とともに、和服は一部の人を除き冠婚葬祭の場でしか見られなくなりました。各国の独創的な民族衣装も、やはり儀式などで着用されるに過ぎなくなってきています。
今回は、長方形の一枚布を身体に巻きつけて着用する形式のもので、衣服の原点である ギリシャやローマに見られる巻き衣を使用してきた民族衣装を中心に展示します。
巻き衣は、アジアではインド・ブータン・インドネシア、アフリカではガーナ・タンザニアなどの国々で見られます。それらを中心に着装の違いとその着装美、布地の染織美などを楽しんでいただければと思います。
展示内容
インド:サリー、ロン族の民族衣装
ブータン:キラ、ドヤッパ
インドネシア:カイン・パンジャン
ガーナ:ケンテ
タンザ二ア:カンガ
開催期間:平成16年10月19日(火)~11月16日(火)