カリキュラム・実習
主な授業紹介
■ 生命科学
生命現象の本質を知るために生命科学の基礎を学びます
生命科学は、生命現象の本質を追究する学問分野であり、長い歴史と蓄積された研究の成果があります。生命科学の基礎として動物や植物の発生・分化・反応・調節・生態・進化、異変と変化、生命の現象について学習します。また、生命科学を身近な問題としてとらえ、基礎的知識をもとに生命科学的な方法論・考え方を身につけることをねらいとしています。
■ ボランティア活動論
看護職者としての幅を広げるためにさまざまなボランティア活動を知る
保健・医療・福祉の現場をはじめ、在宅で障がいのある方が自立して暮らせるための活動および障がい児の支援活動などさまざまなボランティア活動について、グループワークを行いながら、日本の保健・医療・福祉との連携について探ります。そして、人間的にも幅広い看護職者育成を図ります。
■ 看護学概論
看護とは何かを学ぶ授業です
この科目の主題は、「看護学とは何か」を明らかにすることです。この科目の後に学習する各分野の基礎として、自分がこれからの看護・看護学にどのように取り組んでいけばよいのかを考える契機にする授業です。「看護とは何か」を明らかにするために、看護の歴史的発展過程を概観し、初めて看護を学ぶ者として、生命と生活の営みを支え、自分らしく生を全うできるよう支援するという、本学科が目指す看護の基本的な考え方を身につけます。また、看護学を構成する主要概念、保健医療システムと看護について基本的知識を得ます。さらに、国際化の流れを踏まえ、異文化を理解するため、海外の保健医療事情を概観します。
■ 看護の基本技術Ⅰ
すべての看護の基本となる看護の技術を学びます
看護の対象者の健康と生活を整えるための援助に必要な基本的知識・技術・態度を習得します。対象者の生活と生活リズムに視点をおき、療養環境、活動と休息、食事、移動・移送に関する援助技術を学びます。3〜4人が1グループとなり、看護師役、患者役、観察者を交替しながら演習形式で学びます。モデル人形やシミュレータを用いて、リアル感をもった学習を進めていきます。また、技術の習得状況の確認を行い自己の課題を明らかにする機会を設けています。
■ 母性看護方法論
妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期の経過と看護について学びます
マタニティサイクル(妊娠期・分娩期・ 産褥期)は、女性の一生の中でも大きなライフイベントです。母性看護方法論は、このマタニティサイクルにある女性および新生児の身体的・心理的・社会的特性を理解し、各期の経過に応じた看護についての学習です。また、母子の健康を支える家族の支援についても注目し、母親が安心して育児に取り組める援助について学んでいきます。
■ 小児看護学方法論
子どもの発達や疾患の特徴をふまえた看護の方法を学びます
この科目では、健康問題を持つ子どもと家族の援助方法を学びます。対象の子どもには、乳幼児期・学童期・思春期と発達段階や生活の特徴があります。子どもの発達や生活および心理と、子どもの疾患の特徴を踏まえて、健康問題を持つ子どもの支援方法を学びます。特に、学生の自己学習やグループ学習および小児看護技術演習を取り入れ、子どものQOL(生活の質)に貢献でき、小児看護が適切に実践できるように学習します。
■ 成人看護方法論Ⅱ
急性期および回復期のケアについて理解を深めます
急激な生命の危機状態にある成人患者とその家族の特徴やニーズ、健康問題を理解し、状況に応じた看護の方法、チーム医療における看護の役割を学ぶ授業です。事例を通しグループワークにより紙面上でアセスメントから看護計画立案までを展開し、プレゼンテーションを行います。急性期および回復期の看護に必要な看護技術は、提示された課題について、グループで患者および看護師の役割を交代しながらの演習を通して修得していきます。
■ 老年看護方法論
老年者のQOL向上のためのケアについて学びます
老年期にある対象者の加齢に伴う身体的・心理的機能の変化による疾病の発病と、経過に及ぼす影響を総合的に評価する方法を学習します。老年期に多い疾病の病態、症状、診断・治療を理解して、老年者のQOL(生活の質)向上のための看護に必要な知識と技術を習得します。倫理的課題、口腔ケア、排泄の援助、認知症ケア、補完・代替療法等を取り上げた看護技術の演習をします。また、紙上事例を用いて老年者に特徴的な看護過程を自己学習・グループ学習で学びます。
■ 地域・在宅看護学概論Ⅰ
すべての人々が地域で安心して生活することを支える看護の基礎を学びます
年齢や健康状態、健康問題の種類を問わず、すべての人々が、住み慣れた地域でその人らしく生き生きと生活していくために、看護職が果たす役割はますます大きくなっています。市町村や保健所の保健師による公衆衛生看護活動、児童・生徒・学生や教職員の健康を守る学校保健・学校看護活動、働く人々の健康を守る産業保健・産業看護活動を通して、地域で活躍する看護職に必要な知識や視点、態度の基礎について学びます。
■ 精神看護学概論
ライフサイクルと精神保健の視点から学びます
自我の特徴と人間を取り巻く環境に関心を寄せながら心理社会的発達について学習します。ライフサイクルと精神保健の視点から、人間の日常生活における生活の場と精神的不調について理解し、精神看護学の基本概念を学びます。家庭、学校、職場、医療や福祉の施設における精神保健上の問題、倫理、そして法律も含めた支援や援助のシステムについて学び、精神看護の目的や役割を理解します。
■ 国際看護
国内外で活躍するための基礎を学びます
国際社会への関心と国際的な視野をもち、国内外で活動するための素地を養うことをねらいとしています。諸外国の医療保健福祉に関する現状、健康課題、看護問題を国際的な視野から理解し、将来における国内外の看護の展望について考えるための基礎を学びます。
■ 災害看護Ⅰ・Ⅱ
いつもの看護が災害時に - 日頃の備えから始まる災害看護
国内外各地から地震、風水害等の自然災害や交通・爆発事故等の人的災害のニュースが飛び込んできます。災害は私たちの生活の中で起き、健康を脅かします。災害時の医療・看護活動および被害を最小限にする自助・共助・公助の力を引き出す看護を学習する科目です。
災害看護Ⅰ(1年次:必須科目)は、災害と健康、災害看護活動、護職の役割などを講義・グループ討議・机上シミュレーションで学習します。災害看護Ⅱ(4年次:選択科目)は、事例や場面想定をして「災害看護」を実践的に学習します。災害看護は、助かる命を救い、すべての人が健康で穏やかな生活ができるよう看護する力を育てます。
実習
臨地実習

看護対象者と実際に関わることで、看護の実践力を養います。
看護基礎教育において臨地実習は重要な位置を占めています。臨地実習の目的は、学内で修得した看護に必要な専門知識・技術・態度を実際の場面で統合し、看護の対象者の健康の保持増進と生活の質を維持する看護が展開できる能力を身につけることです。臨地実習が講義や演習と異なるのは、実際に生活し看護を必要としている対象者と関わるということです。対象者の健康問題を解決するためには、学生自らが主体的に活動しなければなりません。そのためには、学んだ知識や技術を基礎に、個別的・具体的に活用できるようにすること、看護チームをはじめ保健医療福祉における多職種と協働・連携することが必要です。また、人間関係が看護の基盤になることとともに信頼関係を築くことが重要です。自分の行った看護を評価・修正することで、自分の課題を見出し、課題への取り組みを重ねていくことで、知識・技術の向上と人間的な成長につながっていきます。豊かな人間性と倫理観を培い、社会のニーズにこたえる看護を創造し、生涯成長し続けるための職業的自律を育むことを目指して、臨地実習を計画しています。
課程選択臨地実習
保健師課程あるいは助産師課程を選択した場合は、それぞれの臨地実習を4年次に行います。
■ 保健師課程
2科目の臨地実習があります。「公衆衛生看護学実習Ⅰ」は、埼玉県内にある市町村保健センターを実習場所として、住民への保健サービスや保健師の役割と機能を実践的に学びます。また、「公衆衛生看護学実習Ⅱ」は、地域、職域、学校における保健活動の役割・機能と組織体制、公衆衛生看護活動の方法や看護職の役割・機能を学習します。実習先は、埼玉県保健所、企業、中学高等学校です。
■ 助産師課程
3科目の臨地実習があります。「助産学実習Ⅰ」は、妊婦・産婦・褥婦・新生児とその家族への助産の実践であり、正常産を10例程度、経過診断し、分娩介助するという実習です。「助産学実習Ⅱ」は、妊娠期から分娩後1カ月までの母子を継続して受けもち、助産師による継続的支援を学習します。「助産学実習Ⅲ」は、病院と助産所における助産業務の実際と助産師の自律と責任について学ぶ実習です。
スケジュール
1年次より段階的に実習を行うことで、看護の実践に必要な能力を育みます。

■ 1年次
初めて行う実習は「健康・生活・地域実習」です。狭山キャンパス内にある「かせい森の産後ケアサロン」や狭山市内の老人福祉センター、精神障害者の通所施設など、さまざまな実習施設に出向いて利用者や職員の方々とコミュニケーションをとったり、実習施設周辺を歩いて地域の特徴をつかんだりして、「地域でその人らしく生活するとは」を考えます。
その次の実習「基礎看護の実践Ⅰ」は、1年次の1月に、病棟で看護師さんにくっついて行動します。学内で1年かけて“看護とは何か”、“患者様や家族とのコミュニケーションの取り方”、“基本的な看護技術”などを学習した上で、実習オリエンテーションを受けてから実習に出ます。また、実習先には看護学科の教員が同行し、学生指導担当の病棟看護師といっしょに指導しますので、安心です。看護師や患者の方々との関わりを通して、学内で学んできたことの意味を実感し、学内だけでは得られない学びを深めます。
■ 2年次
2年次1月に「基礎看護の実践Ⅱ」を病院で実施します。講義で学んだ看護過程の知識と看護の本質を包括的に再編成し、看護のプロセスを学習します。患者様との関わりやケアの実施を通して、自分の看護に対する考えを深める機会でもあります。
■ 3年次
3年次6月よりほぼ8カ月間かけて「母性看護の実践」「小児看護の実践」「成人看護の実践Ⅰ」「成人看護の実践Ⅱ」「老年看護の実践Ⅰ」「老年看護の実践Ⅱ」「地域・在宅看護の実践」「精神看護の実践」の8科目を実施します。あらゆる年代の人々に対して、生活の場に応じた健康の保持増進と生活の質を維持する看護の実践力を養う実習です。実習先は、病院を主として、福祉施設、保健施設、訪問看護ステーション、保育園などです。
■ 4年次
4年次前期に「統合実習」を実施します。この実習は、看護学の集大成として、3年次の実習で培った科学的根拠に裏づけられた看護実践力のさらなる向上を図り、自分の目指す看護を明確にする機会です。複数患者の看護、夜間帯の看護、対象の健康問題に適した看護(周手術期・クリティカル・ターミナル・慢性期・リハビリ期・マタニティ)、チーム医療における看護、地域社会で生活する人々の看護の中から各自が学びを深めたいテーマを選択して実習します。
実習先マップ
実習施設は本学周辺を中心に点在しています。実習施設が遠距離の場合は、キャンパス内のセミナーハウスに宿泊可能です。

主な実習先
実習が円滑に実施できるよう、実習施設との連携を密にとります
青梅市立総合病院/国立身体障害者リハビリテーションセンター病院/武蔵野赤十字病院/公立福生病院/小平中央リハビリテーション病院/介護老人保健施設かがやき/介護老人保健施設所沢ロイヤルの丘/黎明会(社会福祉法人)介護老人保健施設けやきの郷/介護老人保健施設アヴニール/介護老人保健施設ケアステーション所沢/三恵病院/加賀保育園/戸田中央産院/佐々訪問看護ステーション/至聖訪問看護ステーション/狭山中央まごころ訪問看護ステーション/三慶訪問看護ステーション/戸田中央総合病院/もりあね助産院/マタニティルーム伊深/入間市健康福祉センター/狭山市保健センター/所沢市保健センター/三芳町役場/ふじみ野市保健センター/飯能市保健センター/狭山保健所/朝霞保健所等
実習先別担当科目
実習先 | 実習科目 | 実習学年 |
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青梅市立総合病院 | 基礎看護の実践I | 1年次 後期 |
基礎看護の実践Ⅱ | 2年次 後期 | |
成人看護の実践I | 3年次 | |
成人看護の実践Ⅱ | 3年次 | |
老年看護の実践Ⅱ | 3年次 | |
精神看護の実践 | 3年次 | |
小児看護の実践 | 3年次 | |
母性看護の実践 | 3年次 | |
統合実習 | 4年次 5月 | |
武蔵野赤十字病院 | 成人看護の実践I | 3年次 |
成人看護の実践Ⅱ | 3年次 | |
老年看護の実践Ⅱ | 3年次 | |
小児看護の実践 | 3年次 | |
統合実習 | 4年次 5月 | |
公立福生病院 | 成人看護の実践I | 3年次 |
成人看護の実践Ⅱ | 3年次 | |
老年看護の実践Ⅱ | 3年次 | |
統合実習 | 4年次 5月 | |
佐々総合病院 | 成人看護の実践I | 3年次 |
三恵病院 | 精神看護の実践 | 3年次 |
戸田中央総合病院 | 統合実習 | 4年次 5月 |
国立障害者リハビリテーションセンター | 基礎看護の実践I | 1年次 後期 |
基礎看護の実践Ⅱ | 2年次 後期 | |
成人看護の実践Ⅱ | 3年次 | |
老年看護の実践Ⅱ | 3年次 | |
統合実習 | 4年次 5月 | |
小平中央リハビリテーション病院 | 成人看護の実践Ⅱ | 3年次 |
老年看護の実践Ⅱ | 3年次 | |
老健施設 かがやき | 老年看護の実践I | 3年次 |
老健施設 所沢ロイヤルの丘 | 老年看護の実践I | 3年次 |
老健施設 けやきの郷 | 老年看護の実践I | 3年次 |
老健施設 アヴニール | 老年看護の実践I | 3年次 |
老健施設 ケアステーション所沢 | 老年看護の実践I | 3年次 |
老健施設グリーンビレッジ朝霞台 | 老年看護の実践I | 3年次 |
佐々訪問看護ステーション | 在宅看護の実践 | 3年次 |
至聖訪問看護ステーション | 在宅看護の実践 | 3年次 |
狭山中央まごころ訪問看護ステーション | 在宅看護の実践 | 3年次 |
三慶訪問看護ステーション | 在宅看護の実践 | 3年次 |
TMG宗岡訪問看護ステーション | 在宅看護の実践 | 3年次 |
訪問看護ステーションつくし | 在宅看護の実践 | 3年次 |
訪問看護あおばステーション | 在宅看護の実践 | 3年次 |
加賀保育園 | 小児看護の実践 | 3年次 |
戸田中央産院 | 母性看護の実践 | 3年次 |
統合実習 | 4年次 5月 | |
助産学実習I | 4年次 6-10月 | |
助産学実習Ⅱ | 4年次 6-10月 | |
助産学実習Ⅲ | 4年次 6-10月 | |
助産院もりあね | 助産学実習Ⅲ | 4年次 6-10月 |
マタニティールーム伊深 | 助産学実習Ⅲ | 4年次 6-10月 |
入間健康福祉センター | 公衆衛生看護学実習I | 4年次 6-7月 |
狭山市保健センター | 公衆衛生看護学実習I | 4年次 6-7月 |
三芳町役場 | 公衆衛生看護学実習I | 4年次 6-7月 |
ふじみ野市保健センター | 公衆衛生看護学実習I | 4年次 6-7月 |
所沢市保健センター | 公衆衛生看護学実習I | 4年次 6-7月 |
飯能市保健センター | 公衆衛生看護学実習I | 4年次 6-7月 |
埼玉県内保健所 | 公衆衛生看護学実習Ⅱ | 4年次 10月 |
読売不動産株式会社 | 公衆衛生看護学実習Ⅱ | 4年次 10月 |
東京家政大学附属女子中・高等学校 | 公衆衛生看護学実習Ⅱ | 4年次 10月 |